~東京と福岡を行き来しながら見えてきたこと~

東京で約13年間、人材紹介のコンサルタントとして主にベンチャー・スタートアップ企業の幹部候補の採用・転職支援に携わってきた私が、2018年から「福岡への移住転職」のご支援を手がけるようになり、日々、東京と福岡を行ったり来たりしながら、福岡のベンチャー経営者と東京で働く福岡出身の方々と接することで見えてきたことがあります。

 

東京で働く福岡出身のみなさんの多くは、「いつかは福岡に帰りたい」と口をそろえて言われます。ただ、東京での日々はタフで忙しく、常に思考し、行動し、東京での仕事と生活に集中する毎日を過ごしていらっしゃいます。「いつかは帰りたい…。」そう思いながら、なかなかきっかけが掴めず「いつ帰るか」については決められないまま、時間が経過していくようです。

 

一方、福岡のベンチャー・スタートアップ企業の経営者と話をしていますと、みなさん口を揃えて「経営幹部候補となるような優秀な人材を採用したい」と言われます。特に東京での経験で実力をつけた方に福岡で一緒に事業を作って欲しいという強い採用ニーズはありながらも、そういう人材にはなかなかリーチできていない現状があるようです。事業課題を解決できる優秀な人材が参画すれば大きく前進できるのに、採用は決して順調とは言えないようです。

 

「個人の方にも企業にも明確にニーズがある」ことをこの半年間で確信しながらも、移住を伴う転職は簡単ではないこと、福岡のベンチャー・スタートアップに優秀な経営幹部候補人材が集まるようになるには先駆者的に挑戦する人材がもっと増える必要があること、こういった問題に向き合って一つ一つの仕事を丁寧にやっていこうと思う日々です。

 

今回は、私が半年間、個人の方と企業が持つ明確なニーズに向き合うなかで行き着いた考察をご紹介したいと思います。

 

「いつかは福岡に帰りたい」という気持ちのある、東京で働く福岡出身のみなさんにはもちろんのこと、福岡出身でなくとも、地方から出てきて東京で働いている方々にとっても何らかの気づきにつながればと思っています。

 

 

 

~東京で働くビジネスパーソンから聞く「このままでよいのか?」というモヤモヤ~

移住には、「出たくなる要因」と、「行きたくなる要因」の2つがあるように思います。

 

「出たくなる要因」は、「今いる地域がイヤだから他の地域に移り住みたい」というもの。

 

「行きたくなる要因」は、「その地域で得られる機会に魅力があるから移り住みたい」というものです。

 

前者は「出ていくことが目的」、後者は「行くことが目的」ということになりますが、みなさんが東京に出てきた時は、どちらの要因が大きかったでしょうか?

人それぞれだとは思いますが、後者の方が強く影響していると答える方が多いように思います。そういう意味では地方から東京に出てこられた方は、すでに「移住」の経験者ということになりますね。

 

結局のところ、「出たくなる要因」と「行きたくなる要因」は、特殊な事情は除きますが、どちらか一つということではないようです。いまいるAという地域よりも、Bという地域に移ったほうが、「自己実現」につながる世界が拓けるという「期待」が持てたときに、人生にとって重要な「移住」という決断に至るのだと思います。

 

「行きたくなる要因」をベースに実際に地方から東京に出てこられた方々とお話をしていると、どこかモヤモヤとした思いを抱えているように感じます。このモヤモヤをお聞きしていると、東京を「出たくなる要因」についてのお話がでてくることが多いです。

 

東京は日本のビジネスの本場であるがゆえに、依然として可能性の広がりを求め多くの人が集まります。しかし数年東京で過ごした方のなかには、少なからず「このままでよいのか?」という漠然とした違和感を持たれる方も多いようです。

 

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著者プロフィール

高尾大輔
福岡県生まれ、東福岡高校出身。北海道大学を卒業後、住宅関連のベンチャー企業での営業・新規支店立ち上げを経験後、リクルートエージェント(現リクルートキャリア)に転職し人材紹介コンサルタントとしてのキャリアをスタート。ベンチャー・スタートアップ企業の幹部採用支援に特化したプロコミットにてコンサルタント、事業責任者を務め、2018年に独立。(国家資格キャリアコンサルタント/米国CCE,Inc. GCDF-Japan キャリアカウンセラー)

<受賞歴>
ビズリーチ主催「ヘッドハンター・サミット」年間最優秀賞・優秀賞受賞
リクルートキャリア主催「MVA(Most Valuable Agent)」最優秀賞受賞・優秀賞受賞