みんなのウェディングでの僕の仕事は、最初はマーケティング部長、その後営業部長を兼務、その後両部長を兼務する形で事業本部長に就任する、という流れになった。

業務内容を書くことが趣旨ではないが、働き方とセットになるので時系列を追って書いていきたい。

 

1〜2年目:マーケティング

僕のメインの業務はマーケティングだったのだが、DeNAでは正社員は3名だけのチームだったので、それだけやってればいいわけではなかった。

コンテンツ企画からディレクション、カスタマーサポートや経理業務、営業やセミナーまで、かなり広い範囲の業務を担当していた。分社化して人が増えてからは、よりマーケティングに割ける時間は増えたが、その分採用面接や評価面談などマネジメントにかかる時間も増えていった。

分社化してから病気になって退任するまで、4年間マーケティングに携わったわけだが、最初の1年間は自分の中では悔しい結果に終わってしまった。全然結果を残すことができなかったし、打った施策で満足できる成果をあげることもできなかった。

今振り返って思えば、当時は知識も経験もほとんどなくて、実施した施策も従来の延長線に過ぎず、飛躍的な成果が出せないのは当然だった。ただ、手痛い失敗をしてから相当勉強したし、ゼロベース思考で既存のフレームワークから抜け出して、俯瞰的に戦略を考えてから具体的な施策に一つ一つ落としていくプロセスをこの頃から身につけることができたと思う。その甲斐あって、2年目以降は自分でも納得の行く結果を出し続けることができた。

どのレビューサイトもWEBマーケティングのKPIは似通っていると思うけど、主要なKPIはレビュー投稿の促進とサイト利用者数の向上、予約件数の最大化だ。これらを担当するメンバーがそれぞれ成長してくれたおかげもあって、自分自身が手を動かさなくても持続的な成長ができるところまで2年目の終わり頃には持っていくことができた。

 

3年目以降:営業部長を兼務(期中に事業本部長就任)

3期目からは、マーケティングに加えて営業部長も兼任することになった。当時現任の営業部長が退職したこと、他に任せられる人材を会社として育てられていなかったことが主な理由だ。特にこの3期目は上場の直前期として位置づけていて、会社としても営業目標の達成が非常に重要な局面だった。マーケティングに関してはメンバーが自走してくれていた状況も手伝って、自らの意思ですすんで営業部長も担当させてもらった。

ただ、業務量は確実に増えることが明らかだったので、これをきっかけに会社から電車で30分ほどかかる自宅から転居し、徒歩で通えるエリアに住むことにしたのだが、良くも悪くも終電を気にせずに働ける環境に自分の身を置くことにしたのだった。

 

目標設定について

これはどのベンチャーでもよくあることだと思うけど、早期のスケールアップを目指しているスタートアップが、容易に達成できる目標を設定することはほとんどないだろう。

良いスタートアップには、チャレンジングな目標でも果敢に挑んでいくメンバーがいるものだし、目標を決めたときには到底想像しなかった高みまで短期間で駆け上がることもある。

スタートアップで働いたことがある人なら、幾度か経験するものだと思う。それは、営業目標にしたって、マーケティングの目標にしたって同じことだ。この時期の僕らは、多くのスタートアップと違わず高い目標を設定して働いていた。僕の場合は、営業・マーケティングの両部門でそれをやっていた。

 

働き方

学生時代からベンチャー企業でインターンを長期間やらせてもらって、その後DeNA、みんなのウェディングで働いてきた僕は、ベンチャー企業特有の情熱的に仕事にコミットする働き方や、事業やサービスが大好きな仲間と一緒にチャレンジングな目標を達成していく過程が大好きだし、身に染み付いている。それは長時間労働とかそういう意味ではなく、「雰囲気」とか「連帯感」という意味においてだ。ただ、そういった気分が、結果的に長時間労働に結びつきやすいものであることは否定できない。

就任から退任までの4年間のうち、最初の2年間は仕事が心の底から楽しくて、やりたい仕事もたくさんあって、仕事を終えて帰宅すると、「早く明日にならないかな」と本気で思っていた。土日に出社することも少なくなかったし、直接仕事をしていなくても、本を読んだり勉強したりなど、仕事に関係することを朝から晩まで四六時中やっていた。今振り返ると異常なテンションだったと思うけど、それぐらい仕事にワクワクしていたし、高揚感があったのだ。当然だが、そんな状態がいつまでも続くものではない。

営業部長も兼務するようになって、自宅を会社近くに移してから、「睡眠時間を削る」ことが多くなってきた。それまでは毎日6時間は必ず寝るようにしていたんだけど。平日は2〜3時間睡眠が続くこともあったし、目標達成へのプレッシャーとかストレスとかで、ソワソワして中々寝付けないことも多くなった。

今振り返って一番良くなかったと思っているのは、目標達成のために超重要な局面で、丸一ヶ月超ハードワークをしたところ、実現超困難と思われていた目標を達成してしまったときのことだ。今思うと本当に馬鹿だと思うけど、「これぐらいまでなら何とか自分は耐えられるぞ」と勘違いしてしまったのだ。普通に考えたら分かるけど、ちゃんと休息しなければ疲労は蓄積するし、組織が大きくなったり、責任が重くなっていくとストレスも比例して重くなる。「これぐらい」を続けていくことはできないのだ。

仕事に関してはロジカルに考えるようとするくせに、こと自分の体力とか健康に関しては盲目的な精神論で乗り切ろうとしていた。客観的にみれば到底矛盾した働き方をやっていたのだ。体を壊して当然だった。

そんな経緯で病気へと着実に近づいていくのだが、そこに至る過程で、気を留めるべきアラートはいくつもあった。

 

次へ>>【病気の発症】