今、若い人の間でUターンやIターンなど、社会人になってからの帰郷や地方への移住が増えていることをご存知でしょうか。地方への移住というと、穏やかな生活やQOLの向上をイメージする方が多いかもしれませんね。
けれど、実はそれだけに限ったことではありません。最近では地方に移住しながらキャリアを積むという考え方も普及してきており、攻めの移住を考えている方も増えているのです。
今回は地方への移住のなかでもとくに福岡への移住をテーマに、移住するメリットや気をつけたいポイントを紹介していきます。移住を考えているけどキャリアも諦めたくない。そんな方は、ぜひ本記事を参考に移住についてご検討ください。
QOL向上だけではない。今、なぜ地方でキャリアアップも望めるのか
20~30代地方移住が増えている
まずは地方への移住について、どんなトレンドがあるのか見ていきましょう。NPO法人ふるさと回帰支援センターによると、東京の当センターへの来訪者や問い合わせ件数は2012年を境に急速に伸びています。2012年は面談やセミナーに参加する人数が約4,000人だったのに対し、2017年には25,500人と6倍以上に増えているのです。
さらに興味深いのがセンターを利用する人の年齢層が下がっていること。2012年にはセンターを利用している人のうち、20代、30代の割合は約3割程度でした。
ところが、2017年には約半数にまで達しているのです。ひと昔前は地方への移住というと、ある程度年齢を重ねてからのセカンドライフの意味合いが強かったのですが、今では地方でセカンドキャリアを築く動きが出てきました。
場所を選ばない仕事や地方だからこその成功も
以前は地方には仕事がないことが移住のハードルになっていました。現在は、ITの力で以前よりも場所を選ばず仕事ができるようになったことも、地方への移住を検討する人が増えるひとつの要因かもしれません。
また、移住をきっかけに、新たな土地で仕事の実績を残している方もいます。都会的な働き方が合わなかったなどの場合でも、地方の仕事で成功しローカル番組に取り上げられるケースなどもあるのです。そのような成功エピソードが増えていることも若者の移住を促す要因になっていることは間違いないでしょう。
各自治体の移住補助金もチェック
各自治体により移住者に助成金も出るので、出産や子育てといった人生の転機で移住を考える方も増えています。助成金をもらえる条件は自治体によってことなりますが、数百万円の助成金がもらえる場合もあるので、移住先の自治体は必ず確認しましょう。
とりわけ、今ベンチャーシーンがアツいのは福岡
20代、30代がキャリアアップのために移住を選択する現代ですが、そのなかでも人気かつおすすめの都市が福岡です。「大都市」と「地方」の両方の属性を併せ持つ福岡には、熱い志を持った若者たちが集まっており、福岡のベンチャーシーンが盛り上がっているのです。
東京のベンチャー創成期の熱が今福岡で起こっている
ここで東京のベンチャー業界に目を向けてみましょう。東京だけに限った話ではありませんが、日本のベンチャー業界が盛り上がりを見せたのは2000年代初頭。今のIT業界を牽引するメガベンチャーたちは1997~2000年ごろに創業しています。当時チャレンジを繰り返した20代、30代のビジネスマンが、現在40代、50代となり業界を引っ張っているのです。
彼らが市場を開拓してくれたからこそ、現在「起業」のハードルは大きく下がりました。しかし、その反面で東京のベンチャー業界は飽和し、チャレンジしただけでチャンスが回ってくる時代ではなくなりました。ベンチャー隆盛時代の経営者たちに憧れる人は多くいますが、日の出を見ずに挫折する若者も増えているのです。
それでは福岡に目を向けてみましょう。福岡には現在、20年前の東京のベンチャー熱が伝播しつつあります。福岡市がスタートアップの支援を行なったり、メガベンチャーも福岡に注目して支社をつくったりするケースが増えてきました。
これまで地方で仕事をすることには、都会で仕事をするよりもハンディがありましたが、ITの発展によりそのハンディもほとんど感じられなくなっています。
解決すべき課題はチャンスに
また、福岡では都市が栄えている一方で、地方の顔も併せ持っています。アジアの玄関口の顔を持つ福岡では海外からの移住者の増加とともにトラブルも増えています。外国人に悪意はなくとも文化の違いから起きるトラブルも多いのですが、今後も増えていくことが予想されます。特に福岡は地元民の方言が残っていることによる「言葉の壁」もあり、東京よりもその問題は複雑そうです。
このように解決すべき課題がまだまだ残っており、潜在的なビジネスチャンスが眠っているエリアでもあります。
日本全体の課題となっている「地方創生」の解決の糸口を見つけるのにこれほど適した土壌はないと言えるため、多くの企業が拠点を構えているのです。
ビジネスだけじゃない福岡の住みやすさの秘密
福岡の魅力はもちろん仕事のしやすさだけではありません。福岡はイギリスの雑誌に掲載された「世界で最も住みやすい25の都市ランキング-2017-」で14位に選出されるほど、世界でもその住みやすさが評価されています。このランキングは治安や子供の育てやすさや、生活のしやすさや文化への取り組みなど、多角的な要素によって構成されています。
豊かな自然を残しながらも、充実した医療機関や教育機関、そして福岡空港と北九州空港の2つの空港を持つ福岡は、アジアの玄関口としての役割も持っています。
田舎の人からみれば程よい都会であり、都会から見ても住みやすい街であるため多くの人が憧れる街になっているのです。
仕事はバリバリとしたいけれど都会の喧騒に疲れてIターンをする人もいますが、福岡なら生活でのストレスを極力抑えることもできます。その分、仕事に集中できることが、今の福岡ベンチャーシーンの盛り上がりを作っているのかもしれませんね。
今「移住×キャリアアップ」なら、福岡がおすすめな理由
それでは、具体的に福岡へ移住することでのメリットを見ていきましょう。暮らすうえでの主なメリットは3つです。
・通勤のストレスから開放される
・物価が安い
・安心の子育て環境
ここからは順番にご紹介します。
1.通勤のストレスから開放される
都会に住んだことのある方なら、これだけでも移住の決め手になるかもしれないですね。東京では混雑率150%の路線が18路線もあるのに対し、福岡ではゼロです。通勤や通学で身体が触れあい不快な思いをすることはありません。
また、東京では1時間34分である平均通勤・通学時間が、福岡では1時間14分。通勤のストレスから解放されれば、それだけでパフォーマンスの高い仕事ができると考えられます。
2.物価が安い
福岡は全国で見ても物価の低さはトップクラスです。物価が低ければそれだけ生活コストも下げられます。仮に東京と同じ水準の給与で福岡に転職できた場合、生活が楽になるのは容易に想像できるでしょう。余剰ができればそれだけ自分への投資もできるようになります。自分の健康やビジネススキルに投資しやすくなるため、より仕事のパフォーマンスも高くなり、更ならキャリアアップも夢ではありません。
3.安心の子育て環境
現在、内閣府では全国的に「子育て支援パスポート事業」というプロジェクトを行っています。都道府県によって呼び名は異なりますが、加盟している店舗に子どもを連れて行くと、商品の割引やベビーベッドなど、それぞれのお店が提供しているサービスが受けられるのです。
福岡では「子育て応援の店」という名前で展開していますが、その加盟店数が全国2位。20,716店舗にまで達しています。これはその数字以上に、福岡全体が子育てに対して積極的な姿勢であることを表しているデータでもあります。他にも病院の数が全国で4位、医師の数が5位というデータも、子育てを考える親にとっては安心材料となるでしょう。
子育てをきっかけに福岡への移住を考える方も多いですが、その背景には福岡にこういった環境が備わっていることがあげられるのではないでしょうか。
慣れない人間関係に戸惑うことも?
移住におけるメリットがたくさんの福岡ですが、気をつけるべき点もあります。というのも、都心から地方に移住する人の中には人間関係に苦労する人もいるからです。
都会のドライな人間関係に慣れてきた人にとっては、繋がりの強い福岡の人間関係に最初は戸惑うかもしれません。しかし、それも慣れてくれば「温かい人が多い」というメリットに感じられるようになるかもしれませんね。
福岡への移住は、準備が肝心
福岡への移住を検討しているなら、前準備をしっかりと行なっておきたいところ。とくに、家族を連れての移住の場合は、より前準備が重要になります。生活環境が変わるのは、自分が思っている以上に家族にもストレスのかかるものです。必ず、家族全員と話し合いを行なったうえで移住準備を進めていきましょう。
また、移住前に必ずしておきたいのが住む場所と転職先(仕事)をおさえておくこと。福岡のベンチャーシーンが盛り上がっているとはいえど、移住してすぐに仕事が見つかるとは限りません。できることなら移住前に福岡での勤務先を見つけておきましょう。
しかし、日頃の生活を続けながら、移住と転職活動を進めるのは意外と大変なもの。そのため、移住を考えている場合は、移住や転職事情に詳しいパートナーやアドバイザーを見つけることをおすすめします。
福岡で活躍するベンチャー企業
ここまでで福岡移住に関する情報を見ていきました。それでは、福岡にはどのような企業があるのでしょうか。
福岡から100億円企業を目指す株式会社ホープ
まず、ご紹介したいのは、株式会社ホープです。
自治体が抱えるさまざまな課題を解決するための事業を展開しており、2016年には東京証券取引所マザーズ市場及び福岡証券取引所Q-Board市場に上場しています。
2022年に売り上げ100億円を目標に、福岡発のメガベンチャーを目指して業績を残しています。ホープを皮切りに福岡でも上場を目指すベンチャー企業が増えてきました。
国内最大級のアウトドアプラットフォーム株式会社ヤマップ
登山・アウトドアを楽しむためのサービス群を提供する株式会社ヤマップもその1つ。既に12億円以上の資金調達をすまし、国内最大級のアウトドアプラットフォームを構築しています。それだけ成長しているにも関わらずメンバーのほとんどが17:30には帰宅しているというワークライフバランスも地方ベンチャーの魅力かもしれません。
福岡には、都心のITベンチャーで働く方にとって馴染みのある職業もたくさんあります。どの企業も優秀なエンジニアや経営者の右腕となれる人材を求めていますし、ボードメンバークラスも需要が高いのです。
営業やプロデューサーなどのビジネスサイドも、求められるスキルは都心のベンチャーとそこまで変わりません。今現在、ベンチャーで働く方なら、これまで磨いてきたスキルを思う存分発揮できることでしょう。
専門の転職エージェントを使って福岡への移住を検討する
福岡移住検討の力強いパートナーを探すなら、まずは福岡への転職を専門とするエージェント「YOUTURN」に無料のキャリア相談を。
実績豊富なトップコンサルタントが、転職・移住成功まで伴走しながらサポートしてくれます。厳選した成長企業の非公開案件含む豊富な求人情報を持っています。年収やポジションの交渉も有利に運んでくれるのも魅力です。
そして、何よりうれしいのは、仕事探し以外の情報も豊富に揃っていること。移住前の悩みをなんでも相談できるのです。プライベートなことからビジネス関連まで、幅広く相談できるので、安心して移住や転職を進められるでしょう。
まとめ
福岡は、住環境が非常に整った街です。QOLの向上を望めるのはもちろん、キャリアに関しても十分アップサイドを望めます。そして重要なのが「今」が攻めの移住のチャンスであること。
福岡はものすごいスピードで企業が成長しているため、もしかすると、東京以上のスピードでベンチャーシーンが飽和してしまう可能性もあります。つまり、まだ市場が成熟しきっていない今だからこそ、ベンチャーならでは面白さとキャリアアップを味わえるでしょう。
きっと今だからこそ感じられる、福岡の土地とビジネスシーンの良さがあるはずです。移住や転職を検討している方は、思い切って、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール

- 株式会社YOUTURNは、首都圏でキャリアを積んだビジネスパーソンと、福岡で社会課題の解決に挑む企業とのマッチング事業を展開する会社です。スタートアップ都市として芽吹きつつある福岡のベンチャー企業、地場の優良企業への移住転職で、キャリアアップとQOLの向上を実現してみませんか?
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