あなたは「自分のキャリアの棚卸しと意味づけをしてくれる」キャリアコンサルタントに出会ったことはありますか?

YOUTURNのキャリアコンサルタント高尾 大輔(たかお だいすけ)は、業界の数々の賞を受賞している日本屈指のキャリアコンサルタントの1人。これまで多くの人の生き方に影響を与えてきました。

「キャリアについて誰かに相談したい。けれど人材紹介会社で表面上の経歴に合う求人情報を紹介されるだけでは嫌」

と思っている方は一度YOUTURNのキャリアコンサルタントにご相談いただけると良いかもしれません。

今回は実際に高尾がどのようにキャリア面談を行っているのか、その様子をご紹介します!
 

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突出したスキルがないことがコンプレックス

 

今回キャリアの相談に訪れたのは、30代女性のミホさん。新卒から10年以上IT業界でキャリアを積み重ねてきました。

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▲ミホさん(30代女性)
新卒でITベンチャーに入社し、広告の制作を中心にオフィス作りやメディア運営のフロー整備に携わる。その後現職のITメガベンチャーに入社。広告制作、コンプライアンスリスク管理、マーケティングに従事。さまざまな経験を持つが、キャリアが一貫していないことが悩み。今後のキャリアのために、どのようなスキルを身につければいいか相談にきた。

高尾 今日はこれまでの人生、キャリアを振り返るのと同時に、これからの方向性を考えていくお手伝いができればと思っています。さっそくですが、今日はどのようなキャリアのお悩みがあってお越しになられましたか?

 

ミホ これまでさまざまな仕事を任されてきたのですが、自分にどんなスキルがあるのか棚卸ししたいと思っていました。

1つの仕事のみに従事してきたわけではないので、専門性がないことがコンプレックスです。これからも長く仕事を続けていきたいので、どんなスキルがあればキャリアアップに繋がるのか相談できればと思っています。

40代、50代、その先も「求められる人間」になるために、今何ができるのか相談できればと思っています。

 

高尾 専門性がないというコンプレックスを感じていらっしゃるんですね。ミホさんがイメージされる「40代、50代になっても求められる人材」というのは?

 

ミホ 「事業を任される人間」になりたいですね。今の上司はその私のビジョンを理解した上で、さまざまな仕事を振ってくれています。

 

高尾 「事業を任される人材」であれば40代、50代でも必要とされそうですね。それでは、これまでのミホさんのキャリアを振り返りながら、一緒に考えていきましょう。新卒の就職活動に遡ってみましょうか。就活はどのように行ったのですか?

 

ミホ 最初は出版社に行きたいと思っていました。しかし、これからネットの時代が来ると思ったことと、私もネットの世界が好きだったのでWeb業界で就職先を探したんです。ネットの世界で出版社のような仕事ができる企業を探しました。

具体的には、メルマガの編集ができる企業を探していました。というのも、当時はメルマガ全盛期で、プロの編集者の方がメルマガを編集していたんです。そこで、メルマガを扱っている企業を狙って就職活動を行い、内定をもらいました。

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高尾 まさに東京のベンチャーシーンが始まった頃のお話ですよね。入社してからはどのような仕事をされたのですか?

 

ミホ メルマガを作る部署には配属されたのですが、入社してすぐはメルマガを作らせてもらえませんでした。最初は修行として、広告の枠を管理して、コンテンツを正確に配信できるように調整する「進行管理」の仕事を担当しました。

数ヶ月経った頃、別の仕事がしたいと思うようになり、上司に相談したんです。そこで、営業の部署に配属されました。

なぜなら、以前編集長から「自分が作りたいものではなくクライアントが求めるものを作りなさい。クライアントが求めるものを理解するためには営業を経験するのが1番」と言われたからです。

 

高尾 編集の仕事で価値を出せるようになるために、営業に配属されたんですね。ちゃんと文脈があって良いですね。営業の仕事をやってみていかがでしたか?

 

ミホ 鳴かず飛ばずでした。転職をしようと思って紹介会社に行っても、営業の案件しか紹介されないので、まずは今の会社にいて他の仕事での実績も出そうと思いました。

運がいいことにその後、広告記事を作る仕事を任せてもらいました。やりたかった編集の仕事ではないですが、大手企業の広告を作って、数字が伸びるのは面白かったですね。

 

高尾 焦って転職をしなくてよかったですね。おそらく当時はWeb業界が急成長していた時代。いろんなチャンスが巡ってくる環境だったのだと思います。お仕事も忙しかったでしょう?

 

ミホ はい。当時は本当に市場が急成長している時期でした。終電が終わっても仕事をする日々。タイアップ記事の仕事を1年ほど担当した後、進行管理ができる人を募集している部署から私に声がかかったんです。

 

広告の進行表を制作し、スケジュール通りに広告が配信される仕組みを作りました。ある程度仕組みを作ったら、広告制作などの仕事も増え、気付いたら営業とエンジニアとデザイナー以外のすべての仕事をやっていましたね。

 

高尾 ミホさんは20代にビジネスパーソンとしての基礎体力を養ってこられたんですね。これまでのお話を伺っている限り、ミホさんのビジネスパーソンとしての基礎体力はとても高い印象を受けました。

「専門性はなに?」と聞かれると悩ましいかもしれませんが、20代で最も大事な「仕事をなんとかして前に進める」能力が非常に鍛えられたのだと思います。やり方も正解も分からない仕事に対して、どうやったらうまくいくかイメージして、時には失敗しながらも仕事を進めていく能力ですね。

 

未経験の仕事でも、まずはやり抜く

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ミホ 私が次に配属されたのは総務です。当時会社は急激に人が増えて、席が足りない状態でした。

私に課されたのは一刻も早く社員の席を確保すること。オフィスを借りて働ける場所を作り、最大で1,000名くらいを5つのビルの各フロアに配置しなければなりませんでした。そのミッションが一段落すると、当時の会社の方向性を体現するコンセプチュアルな会議室を作ること、若手社員の育成、バックオフィスの整備など……。いろいろ担当していましたね。

それで、当時の会社では「やりきった」という想いが強くなってきていたので、転職して今のメガベンチャーに移った流れです。

 

高尾 これまでとは全く質の異なるお仕事ですね。「総務」という言葉だけではなかなか想像できない大変さがあったと思います。注目したいのは、ここでミホさんが経営者から抽象度の高い依頼をされ、それに対して期待値を超えるアウトプットを出せたことです。これが出来る人はなかなかいない。経営者や事業家にとって抽象度の高いテーマに対して期待値を超えて応えてくれる人材はとても頼りになります。事業現場での経験と会社作りの経験を通じてミホさんが得られたものはとても大きいと思います。「やりきった」という感覚になるのも頷けます。

 

ミホ  転職活動で内定をもらった今の会社では、広告を作る部署に入りました。広告の仕事で実績を出して、本当にやりたかった編集の仕事をしたいと思っていたのですが、その前に当時所属していた部署が閉鎖してしまって。

次に私が配属されたのはコンプライアンスのリスク管理をする部署。各部署のリスクを洗い出して、対策を打つ仕事で、ひとまず与えられたミッションをやり遂げようと8ヶ月頑張りました。与えられたミッションが形になった頃、人事から今の部署のマーケポジションを紹介してもらえたんです。

まだ事業を作っているフェーズですが、本格的に事業が立ち上がる場面に携わるのは初めてなのでやりがいを感じて働けていますね。

 

鍛えられたのは”課題解決能力”「キャリアに困ることはない」

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高尾 本当にいろいろな経験をされてきましたね。ひとつ言えるのは、ミホさんは「これからキャリアで迷子になることはない」と思います。その理由は、柔軟性と忍耐強さを兼ね合わせているからです。

どんな仕事でもいったん受け入れて頑張ってみようという柔軟性が、自分では意図しなかった様々なチャンスを生み出しています。さらにそこでしっかりと成果を出してきています。それは仕事を任せる側からすれば、とても安心感のあることなんですね。経営者、事業責任者の人が一番頼もしく感じる存在です。

これからも、期待以上の仕事をしていくことでミホさんの元にはいろいろなチャンスが訪れると思います。

さまざまな仕事に関わってきたがゆえに、ミホさんご自身はキャリアが一貫していないように感じるかもしれません。ただ、ミホさんが従事してきた「企画して、その賛同を得、周りを巻き込んで前に進めていく流れ」は「事業経営そのもの」。レジュメに書くと専門的なスキルには見えないけど、それができる人は多くはありません。

強いてスキルとして言葉で表現するなら「課題解決能力」です。これは1つのことをずっとやっていても身につきにくい。図らずともいろんな仕事を任されてきたからこそ身についた能力だと言えます。未経験の仕事を任され、その都度キャッチアップしてきた経験が豊富にあるので、課題がどこにあるのか、「肝」を掴む嗅覚も磨かれてきているはず。

 

30代に必要なのは専門的スキルよりも影響力

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高尾 では、これまでの話をふまえて、ミホさんが「事業を任される人材」になるために、これから何を意識していけばいいのか一緒に考えていきましょう。まずはこの図を見てください。

 

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高尾 これは私の持論で、横軸で「年齢」、縦軸で「挑戦する権利」を表しています。若いときは、若いというだけでみんなが挑戦を応援してくれます。しかし、若さにかまけて努力をしないと、どんどん挑戦する権利を失っていくのです。若いうちにできることを増やしていくことで、年を重ねて大きな挑戦ができるようになっていきます。

 

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高尾 スキルの高さと挑戦する権利の関係をこの図のようにイメージされる方は多いのですが、この時気をつけなければいけないのが、スキルや専門性というのは一定までいくと成長が頭打ちになってしまうこと。

実際の曲線は下図のようなかたちを描きます。スキルばかりに気を取られていると、いつしか自分と同じ、もしくはそれ以上のスキルを持つ若い人材に挑戦の権利が移っていることに気付けず、新たなスキルを身に着けようとして資格取得に努力を向けてしまうような方もいます。

 

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高尾 では、年齢を重ねても高まり続けるものは何かというと「影響力」。「志」や「使命感」、「人としての在り方」といったものです。年を重ねるほどさまざまな経験をし、あらゆる視点でものごとを見られるので、若いときとは違った志を持てるようになります。この志が仕事の場では「影響力」として活きるようになります。

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高尾 影響力とは「この人の力になりたいな」「一緒に働きたいな」と思わせる力。1人で成果を出すよりも、より多くの人を巻き込めることで、出せる成果も大きくなります。

では影響力を高めるためにどうすればいいかというと、自分が尊敬してきた人はどんな人なのか、過去を振り返って思い出してみてください。スキルが高いだけで尊敬してきたわけではないと思います。その人が自分に与えてくれた影響を、これからご自身でも伸ばしていくと、良い事業責任者になっていけると思いますよ。

 

「専門性コンプレックスから開放されました」

面談を終えて、ミホさんに面談の感想を聞いてみました。

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ミホ これまでは専門性がないことがコンプレックスでした。それなりの知識はあるものの、その分野でみれば周りにはもっとすごい人はいっぱいいるので。

今日高尾さんに話を聞いてもらって、専門性があること以外でも強みがあることが分かって安心できました。これまでやってきたこと、今やっていることが無駄になっていないと思えましたし、これから活かせる気がしています。

 

高尾 仕事ができる人は、いろいろな仕事を任されるのが世の常。能力が高いので、初めてのことでもそれなりにできてしまうんですね。そうすると同じ仕事をしてきているわけではないので、専門性が身に付いていないのでは、と感じてしまいがちです。ただ、「専門性=キャリア」ではありません。

言語化しにくいスキルばかりが蓄積していくので、優秀な人ほどキャリアを考える際に「自分は何ができるんだろう」と悩んでしまう傾向があります。しかし、経営者や事業責任者ポジションほど、その言語化できないスキルを持っている人を求めているのです。

私のようなキャリアコンサルタントが企業と求職者との間に入る意味も、まさにそこにあると思っています。スキルマッチをするだけであれば、求人票とレジュメがあればいいので人が介在する意味はありません。経営者が言葉にできない人物像を言語化し、求職者が自分でも気づけていない強みを言語化してマッチングすることが私の仕事です。

今はいい環境で働けていると思うので、そのまま頑張ってください。また次のチャレンジを考えた時にはぜひ相談してくださいね!
※本記事は、キャリア面談を受けられた方の許可をいただき掲載しています。

(執筆:鈴木光平 編集:鈴木しの、榮田 佳織)

 

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著者プロフィール

YOUTURN編集部
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