子育てと仕事の両立は、働く女性にとって大きな課題です。さらに移住となると、引っ越し先の環境や保育園の確保など、仕事以外にも考える要素がたくさん出てきます。

そんなハードルを1つずつクリアし、長年住み慣れた東京から家族で福岡に移住したのが、株式会社ヤマップで働く中川 沙耶花(なかがわ さやか)さんです。

埼玉県出身、スタートアップからメガベンチャー、大企業など様々な会社の経理を渡り歩いてきた中川さんは、家族とご自身にとっての今後を考え、移住を決断しました。

最初は「福岡に自分がチャレンジできる仕事があるのかすら分からなかった」という中川さん。手探り状態でスタートした転職活動から、福岡市の保育園事情など子育ての環境についても伺いました。

 

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「この先もずっと東京」に疑問を感じ福岡へ

ーーずっと関東でお仕事をされていたそうですね。

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私は埼玉県出身で、今年3月に福岡に来るまで20年近く東京で経理をしていました。その間、何度も転職したのでヤマップが8社目です。最初はアパレルの小さな会社に就職し、経理や総務など管理部門の業務全般に携わっていました。2社目に経理として転職する際、「手に職をつけよう」と簿記2級の資格を取りました。

経理として転職を繰り返す中で、一番長く在籍していた業界はITのスタートアップ、ベンチャーです。前職も従業員数が400人規模のIT企業でした。そこで経理として勤務後、しばらくして産休に入ったんですが、同じタイミングで会社の経営体制がガラッと変わったんです。

産休復帰後一番の変化は、チーム重視の体制から個人重視の体制に変わったことでした。以前は各メンバーのできること・できないことをお互いにサポートしながらチームで強くなる感じだったのが、少しづつ変わってきているように思えました。。

このままでいいのだろうか、と思っていたときに、偶然主人の転勤の話が出て。それは福岡ではなかったのですが、ふと「夫の家族と距離の近い福岡に住むのもいいんじゃないか」と考えたんです。

 

ーー今までずっと東京でお仕事をされてきて、なぜ福岡に住みたいと思われたんですか。

 

去年の年末に、山口県の主人の実家に行きました。その時、福岡なら主人の両親が近くにいるし、東京より子育ての環境がいいんじゃないかとふと思いました。主人も前から「福岡に住みたい」と言っていて。

東京は確かに便利ですが、都内で家を買って子育てして、受験戦争を戦って……。それが果たして幸せだろうかと何となく考えていました。東京で家を探してみたけどやっぱり高いし、希望する地域は狭い家ばかり。ローンを組むのも年齢制限があるので、早く決断する必要がありました。

そんな時、福岡に住んでいる義理の妹が「福岡はごはんもおいしいし、自然もいっぱいあるし、人も優しいし、もう福岡から出たくない」と言っているのを思い出して、「福岡に住むのもいいかな」と軽い感じで考え始めました。

 

ーーそこからどういう流れで移住の準備を進めましたか。

 

夫婦で相談をした結果、福岡移住を検討する上で、まずは家を探してみようと。すると東京より値段も安くて広いところが見つかりました。じゃあ次は仕事を探そうと思い、私はYOUTURNに相談したらヤマップを紹介していただいて、ご縁があったという感じです。

 

ーーYOUTURNを知ったきっかけは何ですか。

 

最初、福岡にどんな仕事があるかも分からなかったので、福岡在住の知り合いに聞こうと思って中村さん(※1)に連絡したんです。その流れでキャリアコンサルタントの高尾さんを(※2)そのまま紹介して頂きました。

他の転職エージェントにも話を聞きに行ったんですが、福岡市外で遠い場所しか仕事がないと言われて「それは困るな」と。

YOUTURNでは担当して頂いた高尾さんから、福岡のベンチャー企業が今どういう状態かを教えてもらえてすごく参考になりました。東京と福岡のベンチャーの異なる側面を話してもらって、その上で私のキャリアがどう生かせるかがわかり、勇気づけられました。

※1……YOUTURN 代表取締役 中村 義之

※2……YOUTURN 取締役 高尾 大輔

 

転職回数の多さが福岡では武器に

ーー中川さんは、東京で様々な企業を見てこられています。転職回数が多いことはネガティブに捉えられがちですが、中川さんのように業界の守備範囲が広い人は福岡にあまりいないので武器になります。また今回、久々に中川さんにお会いしさらに生き生きとされていますね。

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前職の頃は色々と板挟みで、すごく疲れちゃってました。最初にYOUTURNさんに相談した時期が一番、ストレスで沈んでる時だったと思います(笑)。今はそういうストレスはないので。

仕事探しと同時進行で保育園探しも始めたんですが、たまたま目をつけていた家の近くに新しい園ができて、二次募集でなんとか間に合いました。それで福岡に仕事の面接に来た時に、市役所で申し込みだけしておいたんです。家・仕事・保育園と1つ1つ順番に解決していきました。

 

ーー移住を決断されてからとんとん拍子に進まれてますが、慣れ親しんだ関東に対する未練はありませんでしたか。

 

それがあんまりないんですよ(笑)。地元は田んぼ以外なんにも無いところだし、東京は反対に便利すぎちゃうし、疲れる。福岡という場所がちょうどいいなと感じています。

 

ーー転職先にヤマップを選んだ理由を教えてください。

 

仕事は子育てと両立できて、経理のキャリアが生かせそうなところを探したんですけど、一社は残念ながらご縁がなくて。面接では「話し方が東京の人っぽい」と言われたり、「うちに入ったら浮くよ」とも言われたりしたので、自分でも「そうかも」と思いましたね。あまり気にしていないですが。

でも、ヤマップの面接ではそういうことを一切言われなかったんです。代表の春山は威圧的な感じが全然なくて、きちんと話を聞いてくれました。

実は、面接で前職のことを聞かれて思わず涙してしまったんです。「社内でのコミュニケーションがうまくいかなくて」と話した時ににぶわーって涙が出て。自分で思っている以上につらかったのかもしれません。その時も春山はちゃんと話を聞いて整理してくれて、不思議な人だなあと思いました。

今もその印象は変わってないですね。ヤマップで働いてまだ半年ですが、春山はヤマップに関わる方々のことをいつも真剣に考えている人だと思います。そのような春山の姿勢は、本当にすごいなと思います。

 

ーー中川さん自身の今後のキャリアのイメージはありますか。

 

常に成長したいという気持ちはありますが、個人的なキャリアで何か達成したいというよりも、今いる組織の力になりたいと思っています。自分が達成したいことは、転職を重ねることである程度出来てきたと思っているので。

 

ーーお話を伺っていると、「誰の役に立ちたいか」が大事なポイントなのかなと思います。

 

そうですね。組織が健全じゃないと気持ちが向かないんだと思います。過去の職場でも、組織が信用できなくなると続かなかったので。

その点、今ヤマップの経営が向かっている方向には特に違和感を感じません。自己利益を優先している人を見ると冷めちゃうんですよね。大きな組織になればなるほど利害関係者も増えるので、それも仕方ないんですけど。

もしヤマップで働きたいなら、自分のキャリアだけを考えている人はマッチしないかもしれません。「ヤマップにどう貢献できるか」を考えている人の方が合うと思います。

 

上司と相談し週1在宅勤務に

ーー今されているお仕事の内容を教えてください。

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メインは月次決算の早期化です。他にも業務効率化のアイデアを上司が出して、私が詳しく調べて実現できるか検討したり、などですね。

 

ーー子育てとの両立もしやすい環境ですか。

 

はい。子どもが急に熱を出したりしたときは、在宅で仕事ができるのでとても助かっています。これがもし「パソコンは絶対会社に置いて、8時から17時までいてください」と言われたら難しかったと思います。

今は週1日を自宅勤務にさせてもらっています。主人に県外の仕事が増えて子どもを見られなくなってしまい、上司に相談したら「とりあえず週1で自宅勤務をやってみたら」と言ってもらえたので。融通が効くのが本当にありがたいですね。

入社前は夫がそういう勤務体制になると思ってなかったですし、助かりました。

 

ーーもともと制度にないのに週1勤務で働けているのは、中川さんが活躍されていてヤマップに必要な存在だからこその対応なのかなと。お話を聞いて、改めてすごくいい会社だなと思いました。

 

会社に認めてもらえているのは、ありがたいですね。前職はフルフレックスだったんですが、オフィスにいないといけないことが多く、制度として使いにくかったんです。ヤマップは制度化こそしていないものの、それぞれの事情に合わせた働き方もできると思います。

 

保育園の入りにくさは想定外だった

ーー福岡に移住して、イメージと違ったところはありますか。

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一番は、通勤時間が思ったよりかかることでした。住んでいる場所の問題でもあるんですが、引っ越す前は「会社まで30分ぐらいで行けるな」と思っていたのに、朝はバスがすごく混んで50分ぐらいかかることもあって。

保育園も東京より入りやすいと思っていましたが、広い園は人気でダメでした。福岡市内はけっこう激戦だったのが誤算ですね。

 

ーー福岡のご近所づきあいなど、コミュニティについてはどうですか。

 

東京よりも垣根が低いなと思います。引っ越しの挨拶に行ったら、その家のおじいちゃんが野菜を持ってきてくれるようになったり。東京では近所の人と世間話することはありませんでした。こちらではお年寄りがよく話しかけてくれて、息子の名前も覚えてくれているので、子どもにとってもすごくいい環境ですね。

私は積極的に人の輪に入るタイプではないんですが、子どもがいると人間関係は広がりやすいと思います。近所には他にも東京から引っ越してきた家族がいたりして、つながりやすかったです。

 

ーー福岡は周辺から人が集まってくる都市なので、同じように移住してきた人も多いかもしれませんね。子育ての部分で東京と違った大変さはありますか。

 

思いがけず主人が忙しくなったので、東京にいるときより育児は大変になっちゃいました。でも、夫の両親や義理の妹に来てもらったり、保育園のお友達家族のところに行ったりして助けてもらっています。

大変なこともありますけど、こちらは自然が多くて、子どもを家の前で遊ばせられるのがいいですね。東京はマンションの前が道路で、ちょっと離れた場所まで連れて行かないと遊ばせられませんでしたから。そういう子育てのストレスはなくなりました。

 

ーーこれから福岡で子育てしたいと考えている人にアドバイスはありますか。

 

まず、移住する時期には気をつけた方がいいと思います。私たちは仕事のタイミングに合わせて3月に引っ越したんですけど、業者から引っ越し費用は100万円ほどかかると言われ、自分たちでやりました。山口県に住む義父が2トントラックを借りて東京まで走ってくれて、自家用車はフェリーに乗せて。時期を選ばないと、お金がかかって大変です。

あとは先ほどお話したように、保育園ですね。福岡だから入りやすいわけではなく、東京と同じで一次募集で大体埋まります。うちの子はたまたま新しい園が二次募集していたので入れましたが、そうでなければ難しいと思います。福岡市の一次募集期間は10月末~12月あたまぐらい。(※詳しくはこちら

その期間に申し込まないと4月には入れないので、気をつけた方がいいです。特に園庭のある広い保育園は東京と同じで入りづらいですよ。うちは主人が転勤だったのでまだ点数が良かったのですが、もし2人とも求職中だったら点数が下がって入れなかったと思います。

希望の保育園を選びたいのであれば、11月までには転職先を決めて保育園を申し込み、4月入社する。もしくは求職中に先に保育園に申し込んで4月までに仕事を決めると安心ですね。
 
執筆後記
自分や家族にとってより良い生活を考えた結果、福岡に移住した中川さん。転職活動の中でヤマップという「みんなの幸せを考える」企業と出会い、上司や近所の人のサポートを受けながら子育てと仕事の両立を実現しています。

家族で移住するのはハードルが高く感じられますが、中川さんのように課題を1つずつ解決していけば、道筋が見えてくるかもしれません。

子どもの将来にも関わる大きな決断だからこそ、最善の方法を真剣に考えてみることが必要ではないでしょうか。移住に迷っているなら、まずは具体的な一歩を踏み出してみてください。
 

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著者プロフィール

YOUTURN編集部
YOUTURN編集部
YOUTURNは、累計100名以上のハイクラス・エクゼクティブ、大都市の最前線で活躍されたビジネスパーソンの九州・福岡への移住転職を支援するエージェントです。地域特化、UIターン転職ならではフル・オーダーメイド転職支援を通じて、今世の中の求人票にはない、あなただけの求人ポジションをつくります。