移住転職を考える人の数だけ、それぞれの物語が存在している。
「競争を勝ち抜いていくことが、幸せなんだろうか」
《前回(#8)までのあらすじ》
牛見裕太は福岡出身の三十二歳。有名グローバル企業の海外営業部門で海外赴任を目指していた。
転職エージェントからは、「年収を維持することが一番大事。牛見さんは東京一択」だと言われてしまう。一方、帰省時に会った友人は忙しいながらも充実しているように見えた。転職を考えていることを両親に話すと、「こっちに裕太が働く会社なんてない」と母からは声を荒らげて反対された。
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あとがき
移住転職は、仕事を選び、生きていく場所を選ぶことです。生き方を選びなおすことにも近いように思います。
すべての人にとって、与えられた時間には限りがあります。自分は何に価値を置いて、何を優先するのか、決める者は自分しかいません。それでもいつの間にか、誰かのことばに翻弄され、誰かにとっての「こうあるべき」を自ら考えたかのように錯覚してしまう。それは誰の人生を生きているのか。
裕太を描くことで、自分の人生を生きないことの危うさを感じました。
同時に、たった一度の対話がもたらす力も感じています。
迷う人が、とことん自分に向き合う時間を持つことで、選んだ道を晴れやかな顔で進んでいけるようにと思います。
著者プロフィール

- 株式会社YOUTURNは、首都圏でキャリアを積んだビジネスパーソンと、福岡で社会課題の解決に挑む企業とのマッチング事業を展開する会社です。スタートアップ都市として芽吹きつつある福岡のベンチャー企業、地場の優良企業への移住転職で、キャリアアップとQOLの向上を実現してみませんか?
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