2024年1月5日・6日の2日間にわたり、ATOMica北九州にて北九州市主催のイベント「UIターン企業交流会&おしごと相談会」が開催され、学生からUIJターンを検討中の社会人まで、県内外から多くの参加者が集まりました。YOUTURNより代表取締役の高尾も登壇し、特別講演を行ってまいりました。
 
特別講演では、約20年間人材紹介業に携わってきたプロのコンサルタントの視点から、「今後のキャリアのトレンド」「なぜ地方都市でのキャリアに今、高尾自身が注目しているのか」「地方都市でのキャリア形成の可能性」について、お話いたしました。
 
当日の講演から抜粋してお届けします。

 
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「地方=キャリアダウン」は昔話


地方移住や地元で働くこと、Uターンについてのネガティブなイメージとして「都落ち」「東京の年収の半分くらいになるのでは」「地方には仕事がないんじゃないか」といったものが挙げられます。かつては、このように消極的なニュアンスで語られることが多かったと思います。
 
一方で、東京を中心とした大都市で働く方たちのお悩みも、何千人と聞いてまいりました。彼女ら・彼らには、特有のお悩みがあります。「とにかく窮屈だ」ということです。特に直近の3年間は、コロナ禍で思うように外にも出られず、東京の狭い部屋で、一人でずっとオンラインで仕事をしていて、夜は気軽に飲みにも行けないなど、窮屈さが増していたと聞きます。
 
加えて、現状維持コストの高さも悩みの要因です。家賃も食費も高く、交際費も嵩みます。親元から遠く離れた共働きの場合、子育ても頼る先がありません。結局お金で解決しなければならず、総じて「現状維持コストが高い」と言われる方が多いです。
 
更には、「競争に疲れた」という声も。「ずっと誰かと競い合っている感じがする」「この競争は、いつまで続くんだろう」と、疲弊してきているように感じます。
 
なんだか大都市での生活が割に合わなくなってきたな、という気持ちを持ち始めている方が多く、東京一極集中の流れも少しずつ変わってきています。
 
環境や世の中の構造が変わり、人々の価値観も変化しています。改めて「自分の価値観が何なのか」を見つめ、自らの生きる場所を選んでいく風潮になりつつある。かつてのように、まず環境があってそれに自分を寄せていく時代ではもうなくなってきたなと感じます。

 

キャリアのイノベーターたちは、これからどこを目指すのか

 
新しい物やサービスが世の中で普及していく流れをあらわしたイノベーションのベルカーブ※というものがあります。※米スタンフォード大学のRogers教授が提唱したマーケティング理論


新しい考え方や物事に対して、最初に反応するのはイノベーターと呼ばれる先駆者たち(全体の2.5%)で、とにかく新しいものが好きという方々です。まずイノベーターが反応し、次に、その様子を見てアーリーアダプター(全体の13.5%)が追随します。その後、アーリーマジョリティやレイトマジョリティたちに情報が届き、手にする人たちが増えていく。そうすると、一気に世の中でトレンドになっていく。
 
キャリアにもトレンドがあります。1980年代、日系の大手企業ブームに始まり、1990年代には外資系ブーム。多くの人が外資系企業を目指し始めると、イノベーターたちは今度は次のフィールドを見つけます。2000年代、コンサルティングファームです。
 
その後、2010年頃にはベンチャーブームが起こります。「新しいものを作りたい」と考える人々が、できて間もないベンチャーなど整っていない会社に行き、まだ世の中にないものを形作っていくチャレンジを始めました。
 
2020年代、トレンドを作ってきたイノベーターやアーリーアダプターたちは、どのようなキャリアに注目をしているのでしょうか。
 
今後のキャリアのトレンドは一つではなく、複数あるのだろうと見ています。世の中の多様性が高まり、選択肢が多くなっているために、大きな一つの波ではなく、いくつかの小さい波が存在する時代に入るはずです。
 
その中で私が注目しているのが、地方都市です。次のトレンドのうちの一つに、「地方都市でキャリアを積む」というのは確実に残っていくことでしょう。
 
大都市でこれから新しい領域を探そうとすると、難しくなってきています。一方で、まだまだ解決を待つイシューが山積していて、課題解決の現場がたくさんあるところは、どこでしょうか。地方です。社会課題の解決に取り組みたいと考える人たちを中心に、地方都市に向かう傾向が出始めています。
 
私たちYOUTURNはこれまで6年間、東京を中心とした大都市から九州・福岡への移住転職をお手伝いしてきました。移住転職を果たした累計120人の中には、若い世代も多くいます。
 
移住と聞くと、アーリーリタイアメントのように「年配の方が多いのかな?」というイメージを持たれる方もいるかも知れません。でも実は20代・30代の割合も多く、九州・福岡でキャリアのチャンスを掴みに行っています。

 

 

地方だから得られる「機会」と「環境」


地方への移住転職を選ぶ人たちは、いわばイノベーターやアーリーアダプターだと言えます。
 
私たちYOUTURNは、移住転職のその後もコミュニティを形成し、移住者の皆さんと繋がりを持ち続けてきました。皆さんの「その後」をヒアリングする中で見えてきたものがあります。
 
イノベーターたちが移住と転職を選択するとき、自分自身がインパクトを起こせるような「機会」と「環境」がそこにあるかどうかを重視しているように思うのです。
 
「機会」とは、挑戦できる回数のことです。企業としても未知の領域、初めて取り組むようなプロジェクトに参加し、手探りで何かを作り出していくチャンスがあるかどうか。
 
「環境」とは、誰と一緒にやるか。いい仲間やいいチーム、自分にとって魅力的な環境がそこにあるかどうか。
 
現在、地方企業では、経営や事業において解決しなければいけない問題の難易度が上がっています。これまでと違い、既存のメンバーだけでは解決できないような難易度の高い課題がどんどん増えてきているんです。
 
例えば新規事業、DX推進、ITやテクノロジーを使って経営そのものをアップデートしていく必要に迫られています。しかしながら、その会社でも過去に取り組んだことのない課題ですから、社内には経験者がいません。
 
できそうな人に白羽の矢が立つわけです。年齢を問わず、とにかくやってみたい人・意欲のある人に任せ、裁量を持たせる。打席が回ってきます。大都市の企業で経験を積んだUIJターン人材が地方の企業に移ることで、自らが先駆者となって作り上げていける。こうした「機会」は、移住転職者にとって大きな魅力です。
 
地方企業は、地域との結びつきが強いことも特徴の一つです。社内外の様々なステークホルダーと連携しながら事業を進めていく面白さがそこにはあります。
 
地方企業こそ、「機会」と「環境」が得やすいものです。色んなチャンスを、いい仲間たちと協業しながら、しっかりと捕まえていきたい。自分のキャリアを高めながら、地元・地域にも貢献していきたい。 そういった志向のある方にとって、九州・福岡には、大きなチャンスが広がっています。

 

非連続な成長によって、飛び級する


「機会」と「環境」を重視して地方でのキャリアを作ったイノベーターたちは、最終的に何を手にしているのでしょうか。
 
それは、過去の自分とは連続性のない、非連続な成長です。キャリアを飛び級できるんですね。
 
例えばメガベンチャー出身の方で、一度転職で福岡に移った方がいます。福岡の企業で実績を積み人脈を作った上で、出資を受けて自分の会社を立ち上げました。
 
他にも、元々は最大手EC企業でエンジニアをやっていたけれども、ずっとエンジニアでいても突き抜けられないというジレンマを抱えていた方がいます。福岡のスタートアップに転職をして、しっかりと実績を積み、次はまた新たな企業でCTO/経営層として技術全般の責任を担うチャンスを掴みにいっています。

 

地方だから描けるオリジナルのキャリア


YOUTURNがこれまでお手伝いをした方のうち、一部の事例をご紹介します。チャレンジの結果、地方企業だからこそ得られる場所で、その方だけのオリジナルのキャリアを咲かせています。

 

変化し続ける福岡だからできる街づくりがしたい。住んでみて感じる街の一体感
福岡地所株式会社で働くホール茉利香さんは、オーストラリアの大学を卒業後、東京のコンサルティング会社に就職。その後、2社目で福岡地所株式会社へ。東京でさらにキャリアを積む選択肢もあった中、「遠い将来まで考え、福岡にしようと思った」と語るホールさん。移住を決断するまでの経緯を聞きました。

 

大手デベロッパーから、スタートアップと大手企業の共創を推進するアクセラレータープログラムのディレクターへ
大手不動産のデベロッパーで10年近く分譲マンションの事業開発プロジェクトを担当されていた大木さん。YOUTURNとの出会いはすでに登録されていた奥様からのご紹介でしたが、10年積み上げたキャリアを手放し福岡へ移住を決意した理由。そして、活発化していくスタートアップと福岡の大企業を繋ぐアクセラレータープログラムとは。

 

地方は社会課題の先進エリア。キャリアのアップデートに九州を選んだ理由
平田さんは、もともと関東出身。新卒で入社したベネッセで地方配属を希望し、福岡に来たものの「東京で働く友人がどんどん結果を出し、成長していて輝いて見えた」といいます。しかし、東京の企業に転職して数年経ち、自分自身の承認欲求を満たす働き方、周囲の期待に応えるために取り繕って働くことに疑問を抱きました。
「他者を犠牲にせず、それでいて自分も長期持続的に幸せになれる方法はなんだろう」と自身と向き合った結果、再び九州に戻ってきた平田さんに、これまでの経緯を聞きました。

 

九州・福岡への移住転職ストーリー


YOUTURNではこれまで、数多くの移住転職者の皆さんにお話を聞いてきました。どんな葛藤を経て、今に至るのか。どんな居場所を手にしているのか。リアルな声を、ぜひ参考にしてみてください。

 

キャリアは諦めたくない、移住もしたい。手に入れた新たなステージ
 

「東京に未練はない」直感を信じて福岡へ。今が一番ハッピー
 

いかがでしたでしょうか。今回は、2024年1月5日・6日に開催された北九州市主催イベント「UIターン企業交流会&おしごと相談会」でのYOUTURN高尾による特別講演の内容をご紹介しました。
 
今後もYOUTURNブログでは、イベントレポートやYOUTURNの活動報告、移住転職者インタビューなどを通じ、最新情報を続々と発信して参ります。
 
どんな機会と環境が待っているのか、ご自身の可能性を知りたい方。「地方移住に惹かれるが、キャリアダウンになるのでは」と不安を抱えている方。まずは経験豊富なYOUTURNコンサルタントとのキャリア面談から始めてみませんか。

 
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著者プロフィール

YOUTURN編集部
YOUTURN編集部
株式会社YOUTURNは、首都圏でキャリアを積んだビジネスパーソンと、福岡で社会課題の解決に挑む企業とのマッチング事業を展開する会社です。スタートアップ都市として芽吹きつつある福岡のベンチャー企業、地場の優良企業への移住転職で、キャリアアップとQOLの向上を実現してみませんか?