2023年11月17日、FCCテクノ主催のイベント「DiVE」が、FCCテクノ代表取締役の西村さんと、YOUTURN代表取締役の高尾の対談方式で開催されました。
 
今回のイベントのテーマは「正解探し病からの脱却」。「正解を探すのをやめて、正解を創り出すことができる人に」という趣旨のもと、「1%の違和感が自身の転機となり得ること」「適切に組織と自己の距離を取る重要性」「自己開示がキャリアの転機を呼び込むこと」など、じっくりと語ってまいりました。
 
本記事はイベントレポートとして、当日の対談から抜粋してお届けします。

 
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1%の違和感を捉える。それが「転機」に繋がる



西村:生きていると誰にでも「転機」が訪れるものです。沢山の人の転職を見届けてきた高尾さんは、転機を語るプロだなと。高尾さんの考える「転機」とは何ですか。
 
高尾:転機には大きく二種類あると思います。まず、外部環境の変化によるもの。子供ができたり親が病気になったりといった場合です。
 
次に、その人自身の動機によるものです。自らの意思で変化させていくタイミングですね。
 
価値観が変化するとき、これまで良しとしていたものに小さな違和感が生まれます。最初は見て見ぬふりができるんですが、違和感の種が育ち、嫌悪感にまでなってしまうともう我慢ができなくなる。そこで自らの意思で「変える」というプロセスに至るんじゃないでしょうか。
 
自らの価値観が変わったから生まれる違和感もあれば、そもそも「本当の自分の価値観に従って選んでいない」場合も多いかなと。なんとなく周りに合わせた日常を送っていると、本来の自分が「そっちじゃないだろう」と言い始める。
 
西村:転機って案外身近なところに転がっているものなんじゃないかなと思いますね。誰かと価値観を語り合った翌朝、なんだか分からないけれど違和感を覚えるとか。

 
 

スペックだけのマッチングではうまくいかないのが移住転職


西村:様々な人のキャリアを見続けてきた高尾さんに、改めて「職業とは何なのか」を聞きたいです。
 
高尾:元々は、マルチにパラレルワークをやるのが本来の「職業」だと思います。戦後の復興時に「私は経理なので」と言う人はきっといなかったはずです。限られた労力で、枠組みを超え、皆でカバーし合ってきたのではないでしょうか。
いつの間にか、採用市場側の利便性を高めるために職種に分類され、狭い中でキャリアを作ることが一般化してきたように思います。
 
西村:職種という言葉はどこか窮屈です。「◯◯社の××です」と、職業や職種で名乗ることが多いですよね。それがないとなぜか不安になることも多々あるなと。職業や職種ってそれほどまでに大事なんでしょうか。
 
高尾さん自身は何屋だと思いますか。
 
高尾:頼まれてもいないのにお節介を焼く屋さん(笑)。「人材紹介屋」という答えはしっくりきませんね。
 
感受性が人より強め・左脳でも考えられる・人から受け取ったものを言葉にして返す。この能力をお金に変えられる方法が、人材紹介だったんです。
 
人材紹介は企業と候補者双方が納得しなければ成立しません。だからこそ、一番自分の能力をぶつけられる世界だと感じます。
 
西村:YOUTURN経由で入ってくれた人たちに「なぜうちの会社を選んでくれたのか」と聞くと、シンプルに「高尾さんが紹介してくれたから」と答える方が多いんですよ。いや、すごいなと思って。
 
高尾:転職における一般的な判断軸を、僕がすべて無視しているからだと思います。条件や仕事内容といったレイヤーでマッチングすると、必然的に有名な順、年収が高い順に選ぶことになります。
 
それよりもその方がどんな生き方をしたいのか、どんな日常を送りたいのか、何に共感できそうなのか、何が好きで何が嫌いなのか。価値観ベースでのマッチングを大事にしているんです。その方の価値観を踏まえた上で、「騙されたと思って西村さんに会ってきて」と提案しているから、頷いてくれるんじゃないかなと。
 
西村:「高尾さんに相談しても案件をくれない。あなたに今必要なのは本当に転職ですか?って追い返される」という声も聞きます。
 
普通、転職エージェントは経歴・会社・キャリアをみて、高値で売れそうなところをいくつか紹介するものです。高尾さんはどうして親身に話を聞いてくれるんですか。
 
高尾:皆が行きたい会社や放っておいても人が集まるところであれば、僕が介在する価値はないなと。誰かが間に入らないと絶対に繋がらないところにこそ、エージェントの価値があるのではないでしょうか。
 
移住転職というフィールドは、スペックだけのマッチングでは何一つうまくいかない領域に入ってきています。転職する側だったらどんなコンサルタントに話を聞いてほしいのか、何を大事にしているエージェントに支援して欲しいのか。理想像を追求してきました。

 
 

「人を従わせる会社」から「人が居たいと思う会社」へ



西村:会社・組織って何なのでしょうか。9時出社、5時退勤という形がなくなってますます会社とは何だろうかと考えるようになりました。
 
高尾:会社も一つの概念でしかないように思います。オフィスや経営者が会社なわけでもない。会社の実体とは何だろうかと考えても、正体がない。結局、会社って日常誰と付き合うかでしかないんじゃないでしょうか。
 
日常を共有する人たちが誰か、というのはすごく大事です。無意識に日々過ごしている中で、いい刺激をくれたり、凹んでいたら励ましてくれたり。知らず知らずそういう影響を受けているならば、とてもいい会社だと思いますね。
 
西村:「自分にとって会社とは何なのだろうか」と問い、会社と自分の距離の取り方を考える必要がありますね。
 
「会社」=「給料をもらうところ・生きるために嫌々でも行かなきゃいけない場所」と整理してしまえば一番楽です。しかしながら、限りある「時間」を使う場所でもある。自分にとって居心地のいい環境や、どんな組織に属していたら幸せなのか。一つ一つ改めて確かめてみることはすごく大事な気がします。
 
高尾:かつては、会社とは人を従わせるものだったかもしれませんが、今はもう崩れてきていますよね。人を従わせるのではなく、人がいたいと思う会社へシフトする必要があります。
 
「従業員なら会社に従うものだ」という古い前提が残る組織に属していると、働く側もどこか会社の下請け感覚だったりしますよね。無意識に会社の言うことを聞くのが仕事だと刷り込まれてきたから。
 
これからは、会社とアライアンスを組むようなイメージを持ってみることをおすすめしたいですね。驚くほど仕事の面白さに差が出ますから。
 
転職も同じです。今いる会社では下請け的な存在として扱われてしまう。だから、次こそはアライアンス関係が築ける会社に移る。そういう転職ならきっとうまくいくんじゃないでしょうか。

 
 

戦略的「自己開示」でキャリアは広がる


西村:僕が採用した人って、学歴や能力に関係なく「一緒に働きたいと思ったかどうか」なんですよね。抽象的だけど、キャンプファイヤーを囲みながら「実は俺、こういうことがあって……」と話せるかどうか。魅力やチャームを持っている人には声をかけたくなるんです。
 
高尾:自己開示力が大きく関係していそうですね。自己開示してもらえると、その人の魅力に触れて「この人のことが好きだな」という気持ちに繋がったりする。
 
戦略的に自己開示をする人もいます。相手の許容量を探りながら、距離を縮めるための手段として行う。質問ばかりでなく自ら曝け出すことで、相手の自己開示も引き出す。もはやスキルですね。
 
西村:ロジカルな人ほど自己開示が上手いなと。突き詰めていくと、自己開示をしないデメリットの方が大きかったりするんです。
 
自己開示をすることで打ち解けて仲良くなれたなら、その先の仕事も取りやすくなるかもしれない。自分の魅力やチャームを相手に伝えることができる。さらに、転機を呼んでくれるきっかけになり得る。
 
人と働くときに大事なのは能力ではなくチャームです。「なんとなくあの人と居ると楽しいな」という感覚は馬鹿にできないし、生成AIが出てきた時代においては絶対に持っておいたほうがいいものです。
 
僕も代表になって、自分から先にかっこ悪いところを出すようになりました。
 
高尾:僕らエージェント側からしても、自己開示してくれる人のほうがお手伝いしやすいです。深く共感したり「この人の役に立とう!」と思えるかどうかはとても大きいですから。
 
技術として追求した方がいいくらい、自己開示はキャリアにおいて重要なスキルだと感じます。

 

参加した人の声


イベントに参加された方からは、終了後、こんなご感想をいただきました。
 
  • 正解がない世の中なので、会社に依存せず自分の価値観ややりたいことを信じてやる大切さを感じました
  • 自己開示のお話は自分に刺さりました。苦手意識がありましたが、相手との関係を築ける大事なコミュニケーションだなと。戦略的に開示してみます
  • 会社の概念や、自身にとっての仕事の捉え方など、今後の人生の参考にしようと思います
  • 人生の節目にきているので、本日のお話は刺激と勇気を頂きました!
 
 

九州・福岡への移住転職ストーリー


YOUTURNではこれまで、数多くの移住転職者の皆さんにお話を聞いてきました。FCCテクノに入社を決めた方が、どんな葛藤を経て、今に至るのか。どんな居場所を手にしているのか。リアルな声を、ぜひ参考にしてみてください。

 

「転職はゴールじゃない」移住転職を通じて取り戻した自分の軸
「何のために移住転職するのか」。FCCテクノの中元さんの答えは、チャレンジしたい仕事と家族の幸せ、いずれも実現することでした。
専門スキルや経験が求められがちな転職市場に直面し、焦りを感じたときは、ご家族とのコミュニケーションを通じて基本に立ち返る。自分の軸を再認識してからの転職活動には、変化があったと言います。 自分を見つめた先に出会った会社で、経験を活かした人事の仕事に取り組んでいます。東京の大手企業から福岡のFCCテクノに移住転職した経緯を伺いました。  
 

カルチャーフィットは諦めていた。価値観の変化に向き合った2度目の転職
新卒で大手証券会社に入社し、その後ベンチャーに転職する。FCCテクノの仲田さんにとって、それは学生時代から周到に計画されたものでした。
そしてベンチャー転職後にご結婚、お子さんの誕生を経てキャリアに求める価値観が変化。仲田さんは計画を見直し、2度目の転職を果たします。 「待遇や働き方の条件さえ合えばいい。カルチャーフィットは諦めていた」とまで言い切る仲田さんの転職の経緯と、キャリア形成の背景を伺いました。  
 

「今の仕事にやりがいはあるか?」追求して、たどり着いた移住転職
「やりがいがある仕事」の定義は、人によってさまざまです。
東京の大手情報システム会社から、福岡のFCCテクノに移住転職した岡さんにとって、やりがいとはどのようなものだったのでしょうか。 移住転職した経緯から、将来目指す姿までのお話を伺いました。  
 

いかがでしたでしょうか。今回は、2023年11月17日に開催されたFCCテクノ主催イベント「DiVE」から一部対談内容をご紹介しました。
 
今後もYOUTURNブログでは、イベントレポートやYOUTURNの活動報告、移住転職者インタビューなどを通じ、最新情報を続々と発信して参ります。
 
価値観ベースでご自身のキャリアの可能性を知りたい方。「今の会社では下請け感覚が拭えない」とお悩みの方。まずは経験豊富なYOUTURNコンサルタントとのキャリア面談から始めてみませんか。

 

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著者プロフィール

YOUTURN編集部
YOUTURN編集部
YOUTURNは、累計100名以上のハイクラス・エクゼクティブ、大都市の最前線で活躍されたビジネスパーソンの九州・福岡への移住転職を支援するエージェントです。地域特化、UIターン転職ならではフル・オーダーメイド転職支援を通じて、今世の中の求人票にはない、あなただけの求人ポジションをつくります。