福岡の仕事探し

— ここからは仕事関連の話について伺っていきます。東京で働きながら福岡での仕事探しは簡単ではなかったと思いますが、最初はどのような活動から始められましたか?

 

まずは、採用担当者と直接繋がりたいと思って、福岡と東京どちらにも拠点がある会社の採用説明会などに参加しました。また、そういった企業のエンジニア勉強会にも採用担当者がいる場合があるので、直接会って話をする良い機会だと思って参加していました。
 

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— 福岡の企業に関する情報はどのように取得されましたか?

 

情報収集が甘かったこともあって、福岡ローカルの会社にはあまりアプローチできなかったですね。福岡で開催されるイベント情報も調べはしましたが、なかなか時間を取れずに参加する機会を持てませんでした。もっと東京でイベントがあれば行きやすかったですね。

福岡市等が東京で開催するイベントで、いくつかの福岡地場の企業を知れる機会もありましたが、1,2年情報収集をやってると、いつも同じような企業が登壇しているなという印象を持ちました。

 

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— 東京での情報収集ではどんな限界がありましたか?

 

まず、会社の中の人に直接会える機会は限られています。東京でリアルイベントを開催してくれれば会える機会もあるんですが、それぐらいだったかなと思います。移住の検討期間は数年あったので、2,3日ぐらい福岡に滞在していろんな会社をまわってみたかったんですけど、うまく機会をつくれなかったですね。

 

ゼロベースで自分探し

— 仕事探しではどのようなポイントを重視しましたか?

 

新卒での就活と同じような感覚で、まず「自分探し」をしました。「自分って何をやりたいんだっけ、どう生きていきたいんだっけ」っていうのを改めて考えましたね。

働き方の選択肢として、フリーとして働くことやスタートアップに連続挑戦することもありましたが、今回の仕事探しにあたっては、大きい企業に属して働いていくほうが好ましい、と考えるようになりました。

まず、自分はこの先75歳くらいまでは働いていきたいという思いがあります。それに向けた自分のキャリアを考えたときに、大きい組織でのマネジメントにチャレンジしたいと思ったんです。

前職でゼロからの創業をやって、組織が大きくなっていく過程のなかに身を投じていました。それをもう一度やるのはいったんもういいかな、という思いもあります。また、子育てをしながら働くライフステージなので、働きやすさに力を入れている会社環境がよいという観点もあります。

 

転職活動の苦労

— 転職活動ではどんなことに苦労されましたか?

 

一番苦労したのは面接ですね。前職では自分が面接する側をよくやっていたので、面接に対して軽く考えてしまっていて、最初の1,2回はあまり上手くいきませんでした。

反省点として、自分は「移住したい」という気持ちが最上段にあって、「正直、福岡にある会社であれば、どこでも入れるところに入りたい」という態度で面接に臨んでしまったんです。

企業側からしてみると、そういう姿勢ではダメですよね。福岡の中でも「なぜその会社なのか」という理由が欠けています。最初の面接をきっかけに、「自分はどのように貢献して、どのように活躍していきたいのか」ということを改めて考えました。

 

— それは重要な学びですね。今後移住を検討される方も、往々にして躓くポイントかもしれません。

 

福岡は他の地方と比べて人材募集をしている会社が多いし、どこかしら受かるだろうという甘い考えがありました。「なぜその会社なのか」という理由づけをちゃんとしなければならなかったですね。

 

— 難しいですよね。個人的な思いでは移住と転職は切り離せないし、ともすると移住の思いが勝ることもあるはずです。しかし、企業面接においては「移住」を一旦置いておいて、仕事観やスキル、自己実現みたいなところと、企業のビジョンやカルチャー、事業目標とちゃんとすり合わせる必要が、当たり前だけどやっぱりあるわけですね。

 

そうですね。改めてそのことを認識しました。

 

ヤフーとの出会い

— そのすり合わせをした結果、今の勤務先がうまくフィットしたわけですね?

 

転職活動の合間にウェブの記事で北九州にヤフーの拠点があることを初めて知りました。北九州は移住先候補としてストライクゾーンではなかったんですが、そこでやっている仕事内容が、まさにストライクゾーンど真ん中でした。

何が「ど真ん中」だったかというと、Yahoo! JAPANトップページやYahoo!ニュースなどの日本を代表するウェブサービスの運営拠点が北九州にもあるんです。その理由は「東京で大震災が起こった場合に、ウェブサービスの運営を支えるため」なんです。その「なぜ東京じゃないのか」という理由が、自分の移住したい動機とすごく噛み合うなと思いました。
「東京に人が多すぎる」という問題意識の中に、「東京にいろんなものが一極集中してるのはよくない」という意識が自分の中にありました。そうじゃない生き方を自分自身も模索していきたいという思いと、すごく合致するなと思えたんです。

 

— ぴったり合致してますね。

 

また、ちょうど北九州拠点でエンジニアを数名採用したところで、これから組織を拡大していきたいというフェイズだったので、自分自身のベンチャーを立ち上げた経験が活きるというのもありました。

 

— タイミングも、事業内容もちょうどよかったんですね。

 

はい、そうですね。場所が北九州っていうこと以外は(笑)。

 

ヤフーならではの自由な働き方

–働き始めて、入る前の印象と比べて実際の印象はいかがですか?

 

実際に働いてみて大きくずれているところはないです。地方から日本を支えるサービスを運営するという、やり甲斐のある仕事ができています。今の勤務先はリモートワークに力を入れていて、それもすごく心強いです。

 

— 週に何日、福岡から北九州に通っていますか?

 

原則としては毎日です。月に最大5日までリモートで働ける社内制度があり、週1回くらいオフィス以外で働けます。そのときは福岡市内で働いていますね。

 

— リモートで働いてみて、感想はいかがですか?

 

僕の場合、福岡市内から北九州まで新幹線通勤をしているので、通勤時間が東京にいた時より伸びているんです。その時間を短縮できることが大きいですね。

地方拠点に限らず、会社全体としてもリモートワークなどの多様な働き方が推進されています。毎日、東京と北九州をつないで朝会などの会議をやっていますが、たいていメンバーの誰かが自宅等から参加しています。TV会議システムなどの機材やツールが整備されていることに加えて、みんなの意識もこのような働き方を当たり前ととらえているので、リモートで働きやすい環境になっていますね。

 

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転職の満足度は期待値超え

— まだ移住・転職されて半年ほどしか経っていないですが、今回の転職は満足いくラインですか?

 

そうですね。自分の目指す生き方・働き方と合致していますし、満足ラインは超えてますね。新幹線通勤も読書時間に使っているので苦にはなっていないです。

 

— 振り返ってみて、「事前に知っていたかった」という移住・転職のアドバイスはありますか?

 

住む場所と仕事は表裏一体なので、「なぜその仕事がしたいのか」と「住む場所」は同列に考えるべきですね。最初は移住ありきで、「仕事は二の次」として考えてしまっていました。

そのためにも、仕事の候補先企業の選択肢は数多く広げておくのがよいですね。自分も準備期間は長かったほうだと思いますが、もっと広げておく余地はあったなと思います。今の勤務先も、本格的に転職活動を開始してから初めて選択肢に加わったというのもあります。

 

— 移住先でどんな仕事をするかという明確な動機づけと、それにマッチする企業を見つけるための幅広い情報収集が必要だということですね。

 

そのためにも、色んな方に応援や協力をしてもらうと良いと思います。周囲の人に「移住したい」という意思を伝えると、みんな応援してくれました。前職の社長や同僚も「すごいね。よく決断したね。」と応援してくれました。

 

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エンジニアとして働く福岡の環境

— エンジニアの職業は新しいトレンドが次々に出てきますね。勉強会やコミュニティに参加してキャッチアップすることが多いと思いますが、福岡の環境はいかがですか?

 

東京よりも勉強会の数自体は少ないですが、活発に行われている印象があります。これまでも4,5回ぐらい参加しました。インターネット、ゲーム、SIer、AI、IoT、などいろんなテーマの勉強会が開催されています。会社の数も多いので、大手企業からスタートアップまでいろんなバックグラウンドの方がいます。東京で働いていたことのある人も多くいて、思ったほど地方ローカルで閉じているような感じはないです。いい意味で、コミュニティが濃い印象ですね。
今後は街づくりにもコミットしていきたい

 

— 今後のキャリアパスについてお聞かせ下さい。

 

個人的なキャリアパスとしては、マネジメントスキルを強化したいと思っています。エンジニアの中にも得意分野が人それぞれありますが、実際に手を動かすことに関しては、自分より若い人たちが活躍できる分野だと思っています。なので、今後、年齢を重ねた経験を活かせる分野はマネジメントだと思うんです。

 

— ヤフーは副業OKだったかと思いますが、副業をやっていく予定はありますか?

 

はい、社内ルールとして副業が許可されています。すぐすぐには考えていないですが、今後そういう選択肢もあるのは良いところですね。

副業とは別に、ボランティア活動のための「課題解決休暇」という制度もあります。「課題解決エンジン」を会社のミッションとして掲げているんですが、ボランティア活動を通じて自分以外の誰かの課題解決を行って社会に貢献していくことが奨励されています。

会社主催の社会貢献活動もありますね。子供向けのプログラミング教室や、東北の震災復興などです。そういった活動の社員スタッフをその制度のもとで募集しています。

 

— 最後に、東京から福岡に移住したからこそ、仕事面でやってみたいことはありますか?

 

せっかく福岡に移住してきたので、地域コミュニティーの発展に貢献したいという思いがあります。東京から地方に移住したからこそのアイデンティティを発揮していきたいですね。エンジニア勉強会のコミュニティにも関わっていきたいですし、子供向けのプログラミング教室にも興味を持っています。

また、福岡はスタートアップで頑張っている人たちがたくさんいらっしゃるので、副業で関わってみたい気持ちもあります。そういった活動を通して、福岡エリア全体の発展に貢献していきたいですね。

 

— 素晴らしいですね。今後の平島さんのご活躍を期待しています。本日は有り難うございました!

 

 

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著者プロフィール

中村 義之
株式会社YOUTURN創業者。地方のアセットを活かして持続可能なライフスタイルとイノベーションを生みだすための起業インフラを創出中。メイン事業はU・Iターン特化の転職エージェント。地方産業革新の担い手になりたい人材募集中。